ネットワークカメラ推進会

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セキュリティーショー2019の感想

 セキュリティーショー2019が閉幕した。あくまでも筆者の個人的な主観が入ったものではあるが、感想を書き残しておく。

 

市場が飽和状態に向かうかもしれない

 今年初めてセキュリティーショーをご覧いただいたエンドユーザーは感じなかったかもしれないが、毎年、セキュリティーショーを訪問しているユーザーにとっては、やや刺激の少ない展示会であったかもしれない。というのも、どのネットワークカメラベンダーの製品やソリューションを見ても、比較的、類似する製品が多くなっている印象だ。目新しさがやや少なくなってきている。

 もはや「映像がキレイ」「暗闇に強い」「映像が軽い」というだけでは、勉強熱心なユーザーは満足できない。ここ数年は、映像品質だけではなく、その映像を「どのように活用していくのか?」という視点が非常に重要になってきている。例えば、カメラの映像を利用して来店人数をカウントしたり、年齢や性別を推定したり、顔認証を行ったりするような【映像ソリューションの展示】が目立っている。

 しかしながら、それらのソリューションの展示も、複数のブースにおいて類似製品を見ることができるため、徐々に先進性を感じることは出来なくなってきている…。

 この数年の間で、ネットワークカメラの映像は飛躍的にキレイになった。また、市場の拡大に伴い多くのベンダーが市場に参入(または注力)するようになった。その結果として、激しい競争が巻き起こっていると言える。激しい競争は市場をさらに拡大・成長することになるが、一方で各製品の差別化は難しくなっている可能性がある。

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スマートフォン市場を例として

 ここで、スマートフォン市場を振り返ってみたい。スマートフォンの世界市場は、18年に初めて通年で市場全体が縮小したと言われている。低価格向けのモデルであっても、ある程度、カメラやディスプレイはキレイになり、充電の持ちも良い。3Dゲームなどのハードな使い方をしない限りは、無理に買い替える必要もなくなってきていることが要因の1つであると考えられる。

 2008年にiPhoneがリリースされ、その後、市場を席巻することとなるが、この10年の間で、Android端末のシェアが相対的に拡大した。また、ファーウェイなどの中国メーカーの廉価製品が市場における存在感を高めつつある。

 もちろん、折り畳みができるスマートフォンなど、現在においても各社は様々な先進的な製品を開発し、市場投下しようとしているが、かつてのような市場全体を叩き起こすようなインパクトを感じることは徐々にできなくなっている。

 

 ここで話題をネットワークカメラに戻そう。ネットワークカメラは1996年にアクシスコミュニケーションズ社が世界で初めて開発したと言われている。日本国内市場においても2010年初頭までは、アナログカメラの市場シェアが大きく、ネットワークカメラは黎明期とされていたが、その後、急激に市場シェアを拡大させており、現在においてはネットワークカメラの方が市場シェアが高いと言われている。この数年の間に、ネットワークカメラは劇的な進化を遂げ、また多くのベンダーが参入した。

 

 そして筆者は、スマートフォン市場とほぼ同様の歩みをネットワークカメラ市場も辿っているような気がしてならない。やや乱暴な例えかもしれないが、仮にアクシスコミュニケーションズ社をアップル社とすると、ファーウェイ社がハイクビジョン社(またはダーファー社)といったところだろうか。これまで市場を牽引してきたアクシスコミュニケーションズ社であるが、中国勢がそのスケールメリットを強みに、数々の製品を世界に広めようとしている。

 あくまでも、スマートフォンについては購買者個人の嗜好性が強く、法人向けのネットワークカメラ関連製品にそのまま置き換えて考えることはナンセンスかもしれないが、少なくとも今後の数年間で、参入した数多くのベンダーの間で<勝ち組>と<負け組>という二極化が進み、市場が淘汰されていくのではないかと考えている。

 (なお、上記はあくまでも筆者が展示会を見て肌で感じたものであって、あくまでも直感的なものであるため、具体的な数字の根拠や裏付けはないことをご留意頂きたい。)

 

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キーワードは「省人化」

 これらの市場の動きに対して、各ネットワークカメラベンダーはハードウェア製品の展示だけではなく、ソリューションの開発・製品化に注力している。

 これも特にきちんとマーケティングを行ったわけではないが、筆者は今後、ネットワークカメラ市場がさらに拡大し、生き残るためには「省人化」に結びつくソリューションをリリースすることが重要であると考える。

 日本国内においても労働力人口の低下に対する懸念が高まっているが、まさにこの問題を解決する1つのツールがAIとネットワークカメラであると筆者は考えている。どの業界においても、人手不足は課題となっており、効率的で生産性の高い働き方が求められている。従来、ヒトが行っていた作業や分析は、これからはAIとネットワークカメラに委ねるようにしなければ、成立しえないだろう。

 現状ではセキュリティショーにおいても「顔認証」や「属性推定」などのパッケージソリューションの展示がメインであるが、今後は、より特定の業種や業務に絞った省人化に関わるソリューションをいかに市場に浸透できるのかが重要であると考えている。

 

 どのベンダーが市場での存在感を拡大するのか、今後の動向が注目される。