HDDサイジングの重要性
ネットワークカメラのシステム設計を実施するにあたり、もっとも重要な作業の1つが録画容量の計算である。
録画を行う媒体(レコーダーの機種)にもよるが、一度、導入してしまうと、
容易に増設ができない場合も多いため、あらかじめ余裕を持ったサイジングが必要となる。
容量計算の基本的な考え方
<JPEG録画の場合>
*JPEG形式での録画を行う場合、1枚1枚の画像を繋ぎ合わせたパラパラ漫画のようなものなので下記の計算式となる。
【JPEG1枚の画像サイズ】×【コマ数(fps)】×【カメラ台数】×【時間】=【録画容量】
<H.264録画の場合>
*H.264の場合は、一般的にビットレート(1秒間のデータ容量)で計算する。
【ビットレート ●●kbps】÷8 ×【カメラ台数】×【時間】=【録画容量】
容量が肥大化する原因
しかし、上記のように適切に計算したつもりでも、実際には下記のような理由でHDD容量が不足するケースも多い。
①映像が変動する(被写体の動きが大きい)
*録画映像は、被写体により変動するケースも多いため、少なくとも想定される容量の130%程度は余裕を見ておく必要がある。特に、夜間になるとノイズが大きくなり、昼間よりも容量が大きくなる場合がある。
②システム領域
*例えば、1TBのHDD容量を保有したレコーダーでも、1TBすべての領域に録画データを保存できるわけではない。実際には、OSやシステムをインストールする領域が必要となる。HDDの15%程度はシステム領域として確保しておくことが望ましい。
まとめ
録画容量の計算方法
【理論上の録画領域】×【150%以上の余裕】 = 【望ましいHDD容量】
仮に、
カメラ1台の設定値が1Mbpsの場合、理論上の録画領域は
<約10.5GB/日>となるため、<約16GB>のHDD容量を持つレコーダーが必要となる。
参考
録画容量の計算については各カメラメーカーごとにツールがあるので、利用頂きたいが、
カメラメーカーが未定の段階で、筆者が好んで利用しているのは下記のツールである。
システム・ケイ社 録画容量計算ツール