レンズに付着する雪
ネットワークカメラを雪が降る地域で設置する場合、度々、悩まされる問題が、レンズまたはドームカバー部分に雪が付着し、映像が撮影できなくなるリスクである。
例えば、ネットワークカメラのカタログには「使用温度範囲 -20 ℃ ~ +50 ℃」などの記載がるが、これはあくまでも内部のシステムに影響がない温度であって、カバー部分に雪が付着した場合は、溶けるまで待つか、拭き落とすかどちらかしかない。
では、少しでも雪の付着を防ぐためにはどのような方法があるのだろうか?
着雪への対策
①ヒーター付きのモデルを採用する(カメラの対応温度を確認する)
ネットワークカメラのカタログを見ると動作温度「マイナス●●度~ プラス●●度」と動作温度に関する記載があるため、まず、設置環境に対してカメラの動作温度が問題がないかどうかチェックする必要がある。カメラやハウジングのモデルによっては、ファンやヒーターが付属のタイプもある。寒冷地ではヒーター付きモデルの採用が望ましい。
②親水コーディングモデルを採用する
屋外用ネットワークカメラには、親水コーディングをされているモデルがある。下記のURLをご覧いただきたいのだが、親水対応のモデルの場合、カバー部分に水滴が付着した場合も、映像に影響がでにくいようになっている。
もともとは雨への対策を行うものであるため、積雪についてどこまで効果が得られるのかは、設置環境次第としか言いようがないが、雪や雨が多い環境下では必要となる仕様である。
③サンシェードカバーを利用する
ネットワークカメラを屋外に設置した場合、カバー部分に直射日光が当たり続けると、カバー部分が変色したり、内部システムの温度が上がりすぎるリスクがある。そのため、カメラメーカーによっては、日除け用のカバーを揃えている場合も多い。これが結果として、雪の付着も軽減できる場合がある。
また、キヤノンのボックス型カメラでは、降雨/降雪時にカメラ前面窓への付着を軽減するオプション品もある。
④ワイパー付きのハウジングを利用する
ハウジングにワイパーがついているモデルも存在する。カバー部分にワイパーがあり、雨などで映像が見えにくい場合に拭き落とす効果が期待できる。また、氷結などワイパーが外的要因で強制的に停止されてもモーターを保護する仕組みがある。
まとめ
いかがだろうか。各ベンダーは、できるだけカメラに雨や雪が長時間付着しないよう様々な対策を行っているが、限界があるのも事実である。
例えば、カメラのレンズやカバー部分に継続して雪が吹きつけるような環境下では、さすがにどのような対策を行っても、付着を防ぐことは困難だ。その場合は、設置場所の変更が必要となる。