障害の切り分けが難しいシステム
ネットワークカメラシステムは、カメラ本体だけではなくPoE HUBのようなネットワーク機器、レコーダー、モニタなど様々な装置の組み合わせにより構成される。
そのためシステムの不具合時には、どの装置で故障が発生しているのか<障害の切り分け>を行い、適切な修理や対策が必要となる。時には、システムが複雑化している場合、どこで不具合が発生しているのか非常に特定が難しくなる場合もある。
しかし、実際に利用しているユーザーは、「壊れないもの」または「壊れてはいけないもの」と考えているケースもあり、度々、納入業者とのトラブルが起きている。
導入前に実施しておくこと
このようなトラブルを防ぐために、ユーザーは下記の確認が必要である。
①障害が発生する可能性があることを理解しておき、その対策をあらかじめ検討する
冗長性(機器のバックアップ体制)をどこまで構築するのか検討する必要がある。理想としては、カメラや録画装置は予備機を用意しておき、トラブル発生時は予備機を利用して録画を再開するなどの仕組みが望ましいが、現実的にはコストが2倍になるため、そこまでの対策ができているユーザーはほとんど少ない状況である。
とはいえ、単に安い製品を選定するのではなく、製品としての信頼性がより高い製品を選択する必要がある。
②障害が発生した場合にどのような対応が必要か、またどの程度のダウンタイムが発生するのか確する。
納入業者によって保守メニューなどを用意している場合もあるので確認が必要である。保守に加入していない場合、原則としてカメラ故障時など本体の保証期間内であっても工事費や設定費は別途、請求されるケースもある。
また、カメラやレコーダーの故障品について、その場で修理ができるような故障であればよいが、多くの機材は「工場に送付し、修理を行う必要」があり、修理期間中は録画ができないリスクが発生する。
故障のリスクがあるということを認識したうえで、もし故障が発生した場合にどのような対応方法があるのか予め確認しておくことが望ましい。