ネットワークカメラ推進会

Network camera promotion and communication

各社のラインアップ数を比較する

はじめに

 これまでは各メーカーのカメラ単体の機能や性能を比較してきたが、ここでメーカーとしてどのくらいの数のラインアップを揃えているのかを確認する。ラインアップが多いほど、様々なユーザーニーズに対応できるというメリットがある一方で、メーカー側は在庫調整が大変になるデメリットもある。 では、さっそく比較していこう。  

前提条件

 ※下記データは18年2月12日時点で各社のホームページやカタログに掲載されていた機種を手計算で数えたものである。メーカーが公式に発表しているものではない。   ※エントリー/ミドルレンジ/ハイエンドの違いも、カタログの表現を見て筆者の感覚で分けており、明確な基準を持っていない。あくまでもイメージである。   ※同一モデルで焦点距離が異なる場合、別モデルとして計算した。

 

●パナソニックについて

今回比較したメーカーと決定的に異なる点は、唯一、コンシューマーモデルを用意しているという点である。また、ラインアップ数が多いがiPROシリーズがSmartHDモデルからEXTREMEモデルへ移行しているということも影響していることと考えられる。今回は、カタログに在庫限定の表記がない場合、SmartHDモデルも数量に含めている。

 

●ソニーについて

今回、製品数を数えた中では最も少ないラインアップ数となったが、車載カメラや全方位カメラ、小型カメラなども網羅しており、ユーザーニーズにはほぼ対応ができるようになっている。バランスが良い印象を受けた。

 

●キヤノンについて

近年、ネットワークカメラ分野に注力しており、急速にラインアップを強化している印象である。特に、屋外向けの低照度環境に適応したカメラを充実させたようだ。全方位カメラのラインアップがないことだけが気になったが、AXIS社をM&Aしていることもあり、不足分はAXIS社のラインアップで補完することを想定しているのかもしれない。

 

●AXISについて

ラインアップがあまりにも多く、数えるのが非常に大変だった。なお、ラインアップ数が多いように見えるが、これは焦点距離の違いでモデルを分けて計算したためである。例えば、1.8 mmモデルと2.4mmモデルがあった場合、別モデルとして算出した。ユーザーニーズに応じて最適な機種を選定できるというメリットがある一方で、在庫数の調整が課題となる可能性がある。

 

●ハイクビジョンについて

同軸ケーブルで配線可能なカメラもあったが、今回は国内で販売されているネットワークカメラに限定して計算した。屋外用のモデルが非常に多い印象を受けた。また、4MPや4K対応のカメラなど高解像度のモデルも多いようだ。

まとめ

今回、各社のラインアップの数を計算してみたが、あくまでも上記はイメージとして認識して欲しい。実際に必要なのは「ユーザーニーズに対応できる1台があるかどうか?」という点である。

すべてのニーズに対応ができる<究極の1台>があれば、それが最も望ましいが現実的には難しく、細分化されたニーズに対してモデルを拡充していく必要がある。

今後も市場の拡大に応じて各メーカーから様々なモデルがリリースされるであろう。どのメーカーがどのようなラインアップを拡充していくのか期待したい