驚異的なライバル
ネットワークカメラの日本国内市場は、これまでパナソニック社が圧倒的なシェア(約半分)を誇っており、今日においてもその傾向は変わっていない。
また、キヤノン社は2015年に世界最大手のアクシスコミュニケーションズをM&Aしており、シェア拡大を狙っている。
しかし、近年、日本メーカーにとって<黒船>のような存在が市場を席巻している。それが中国メーカーの<ハイクビジョン社>と<ダーファ社>だ。
ハイクビジョン社は、2001年に設立された中国の国営企業である。その成長率はすさまじく世界市場では近年、約150%以上の拡大を見せている。
日本市場では、まだまだパナソニックなどの国内メーカーのシェアが高いものの、<圧倒的なコストパフォーマンス>を武器に市場での存在感を高めつつある。
あくまでも一例であるが、屋外カメラ4台、2TBのレコーダー1台で、わずか60,000円で販売されているものもあった。
なお、上記のカメラはHD-TVIカメラと呼ばれるもので、ネットワークカメラではないため、厳密には同等品として判断できるものではないが、画素数としては、フルハイビジョン対応となっており、
また、水平画角90°、20m以上の赤外線投射の機能を持っている。
中国製メーカーの性能や信頼性については、別途、改めて記事を書きたいと思うが、「コストパフォーマンス」があまりにも高く、国内の大手メーカーでは太刀打ちできないのではないかと考えられる。
日本メーカーのこれから
日本メーカーは、これらの海外からの脅威に対して、顔認証システムや低照度環境でも撮影が可能な高付加価値カメラなどでの差別化を図ろうとしている。
かつての半導体やディスプレイのように、日本メーカーが苦戦を強いられるのか、それとも日本メーカーが高付加価値商品でシェアを拡大するのか、今後の動向が注目される。