ネットワークカメラ推進会

Network camera promotion and communication

オーバーレイとは何か?

ネットワークカメラの画像の上には<様々な文字>を表示させることができる。これが「オーバーレイ」の機能だ。メーカーによって「オーバーレイ」以外にも「オンスクリーン」や「画面内文字表示」など、様々な名称があるが、共通して言えることが画面上に何らかの情報を表示させる機能である。

例えば、筆者のカメラでは<ビットレ―ト(データ通信量)>や<フレームレート>を表示させている。

 

AXISカメラの場合の設定方法

「設定」ボタンを押下し、「オーバーレイ」ボタンをクリックする。スライドボタンが表示されるため、テキストの「対象」を右にスライドさせると、画面上に文字を表示させることができる。

 

続いて<日付>と<時刻>のボタンがあるので、これをそれぞれクリックすると「%F」「%X」がテキストボックス上に記載されて、画面上にも「本日の日付」と「時刻」を表示することができた。

 

さらに<詳細…>ボタンを押下すると、プルダウンメニューで画面上に表示させたい様々な情報を選択することができる。例えば、カメラのIPアドレスやホスト名の表示が可能だ。

(※筆者の場合は、データの通信量を表示させたいため「#B Mbps」と「#r fps」と記載し、データの通信量とフレームレートを表示させるようにしている。なお、AXISカメラであればすべて共通の表示ができるというわけではなく、機種によって表示ができないものもあるので注意が必要だ。おそらくM1065Lも、プルダウンメニューでは「#B(ビットレート)」と「#r(フレームレート)」が選択できなかったため、本来はサポート対象外かもしれない。)

 

また、テキストボックス上で漢字で「任意の文字」と入力したところ、漢字も画面上に表示させることができた。※メーカーによっては漢字の表示ができない等の制限があるので注意して欲しい。

 

表示させたい場所を変更したい場合は<整列>で「 ̄」か「_」を選択すると、画面の上と下のどちらに表示させるのかを変更することもできる。

 

<文字のサイズ>や<外観>を変更することもできる。画面上に黒い帯が表示されることが嫌な場合は、「透明」を選択すると良いだろう。

 

※なお、文字サイズを最も大きいサイズにした場合でも、解像度が高い場合、相対的に文字は小さくなってしまう。また、逆に解像度が低い場合、文字サイズを小さくしても、相対的に文字が大きく表示されるため注意して欲しい。

 

さらに、アクシスカメラの場合は、文字だけでなく【画像】を画面上に表示させることもできる。アップロードできる画像の解像度などに制限があるが、企業のロゴなどを入れ込むことが可能だ。

 

オーバーレイ機能利用時の注意点として

オーバーレイ利用時は「予期せぬトラブル」の原因になることがあるため、注意して欲しい。参考例を紹介しておく。

 

①レコーダー側の表示と重複して表示される

画面上にテキストや情報を表示させる機能であるが、カメラ本体の機能を利用する場合もあれば、レコーダー側にも同様の機能が搭載されている場合がある。この時に、カメラとレコーダーの両方の設定をしていた場合、表示が重なってしまうことがある。下記のようなイメージだ。

カメラ側で日付などを表示させている画面に重なって、レコーダー側で設定した「駐車場入口カメラ」という文字が表示されている。このように両方の表示機能を有効にすると、重なって表示されてしまうことがあるため、表示位置を変更したり、どちらかの機能を無効化する必要がある。

 

②タイムサーバーがない環境下では、時刻のズレが目立つ

ネットワークカメラは、タイムサーバーがない環境下では時刻のズレが発生する。オーバーレイ機能で時刻を表示させていた場合に、カメラ毎の時刻がバラバラに表示されてしまい、時刻のズレが目立ってしまうことがある。

 

一般的な時計も、電波時計など自動的に時刻を修正する機能がない限り、時刻がどんどんズレていくと思うが、ネットワークカメラもタイムサーバーがない環境下では次第に時刻のズレが発生する。オーバーレイによる表示で<時刻>を表示させた場合、どうしてもこのズレが目立つので筆者はあまりお勧めしない。(または、きちんどタイムサーバーを導入することを推奨する。)

 

オーバーレイ機能を有効に活用できると、カメラのステータスを画像上で確認することができるため、非常に便利な機能である。メーカーによって表示方法が異なるため、ユーザーのニーズに見合った表示を行うように心がけたい。